刀剣乱舞-連載

刀剣乱舞

第七話

万屋街とは審神者のために作られた商店街で、そこに建ち並ぶのは必需品である資材や便利道具を売る店や甘味や娯楽を売る店など様々である。そして審神者のための、といえども利用するのは審神者だけではなく、往来にはむしろ刀剣男士の姿の方が目立っている。...
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第六話

──アンタは、主の何になりたいんだ。写しから投げかけられた問いへの答えはまだ無い。そもそも、それはなりたいと思ってなるものなのか。願われたかたちであることが俺達ではないのだろうか。「今日は焼きいもびらきの日です!」朝食のときに審神者がそんな...
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第五話

今日の部隊編成は普段と違う顔触れだった。鶴丸国永が隊長、今剣に小夜左文字、宗三左文字、山姥切国広、そして俺──山姥切長義。俺と写しが同じ部隊になったことは一度きりしかなく、その際にあった一悶着のことを思うと今回の編成に誰かの思惑を感じずには...
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第四話

別れの日を思い出す。とはいえ、あの子は俺といつ別れたのかなんて覚えていないだろう。たとえ覚えていたとしても、俺と彼女が思う最後の日が一致することはない。なぜならあの子は、あの日、床の間に飾られていた一振の刀が何なのかなんて、覚えているはずが...
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第三話

朝食のとき、視線があったことを偶然だと思えなかった。言葉を交わすには遠い距離で、確実に何かの意図があっての眼差し。だからその日のうちに彼の方から声を掛けられたときにも驚きはなかった。「山姥切、ちっくと時間ええか?」「あぁ、分かってるよ」午前...
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第二話

俺を見つけると目を輝かせて笑う姿が可愛らしいと思う。「お兄ちゃん、これ見て!」たった数日一緒にいればこの子どもが人懐こい性格だというのはすぐに分かった。初対面のときは単に緊張していただけで、丸一日、次の日も朝から傍に、と時間を重ねていけばそ...
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第一話

「写しは偽物じゃない」偽物くん。そう呼べば当の本刃はため息をついてお決まりの台詞を吐いた。いつだって彼はそこから何も言い返しはしない。そのことが余計に俺を苛立たせているのだと知らずに。「……長義さん」「──啓」気付かなかった存在に息を呑んだ...
刀剣乱舞-連載

たった一つの星であれ

第一話君が初めて出会った「山姥切」は俺だったのに。第二話「家族が仲違いしてるところなんて見せたくないでしょ」第三話「けんど、それでもただの子どもやき、寂しいとか思うのは当然じゃ」第四話それだけのことで、きっとこの本丸は穏やかに……あの子が望...