第七話 ここからはじまり
本丸にいる全員が広間に並ぶ光景は壮観だった。普段も食事の時間を決めているとはいえ、自由気ままに時間を守らない刀もいるしそれで罷り通るのも事実だ。ここまで大勢が…
本丸にいる全員が広間に並ぶ光景は壮観だった。普段も食事の時間を決めているとはいえ、自由気ままに時間を守らない刀もいるしそれで罷り通るのも事実だ。ここまで大勢が…
「中傷になってからが本番です」こんのすけ曰く、傷ついた刀剣男士は一時的に身体機能が上昇する。その結果、相手の急所へ攻撃を当てやすくなり敵を撃破できるという。仕…
そうと決まればふたりの行動は早かった。皆で集まる前に長谷部とは話し合いたい、陸奥守がその意志を伝えると審神者は迷わず頷いた。「私も一緒にいきたいです」断る理由…
怠慢とは何だろうか。演練から本丸に戻った後、第一部隊の皆からひとり離れて足を進めながら、陸奥守は自身に問いかけた。昼食の時間は皆が集まる広間以外はしんと静まり…
《演練に敗北しました》《刀剣男士の転送まで暫くお待ち下さい》合成音声が告げる演練結果のアナウンスを陸奥守は大の字に転がりながら聞いていた。あとはシステムが作動…
今思えば本丸最初の刀である陸奥守吉行の初陣は散々だった。こんのすけに言わせてみれば「あれが仕様です」とのことらしいが、果たして必要な仕様であるかは未だに疑問で…
左肩から腹にかけて走る袈裟斬りされた傷跡は未だ血が止まらず痛々しい姿を晒す。だらりと力無く下がった右手は自分自身である刀をしっかりと持ちながらもその切っ先から…
初期刀・陸奥守吉行の奮闘記 第一話 第一部隊隊長第二話 彼の初陣と管狐との約束第三話 幼い審神者と刀剣男士第四話 初心者の心得第五話 第一部隊、集合第六話 出…
「ごめんなさい、もう大丈夫です」そう言って彼女の身体が離れていく。触れたところの熱が冷めていくのを名残惜しく思い、乱れた服を整える振りをして残った温さを追う。…
万屋街とは審神者のために作られた商店街で、そこに建ち並ぶのは必需品である資材や便利道具を売る店や甘味や娯楽を売る店など様々である。そして審神者のための、といえ…